労働基準法では、法定三帳簿(「労働者名簿」、「賃金台帳」、「出勤簿」)の作成を義務付けています。
法定帳簿シリーズ、今回は出勤簿について解説していきます。
出勤簿とは、労働者の労働日数や出退勤時間を記録したものになります。
タイムカードで出退勤の時間を管理している場合でも、より正確な「労働時間」の把握のために、出勤簿の作成が求められます。
具体的には、 以下の情報が記載されていることが必要とされています。
1.氏名
2.出勤日及び労働日数、日別の労働時間数と始業・終業時刻、休憩時間
※始業時刻や終業時刻については、1分単位で管理します。
3.時間外労働を行った日付・時刻・時間数
※時間外労働には、企業が定めた所定労働時間を超過して働いた時間や、
労働基準法で定められた法定労働時間を超過して働いた時間が含まれます。
4.休日労働を行った日付・時刻・時間数
※労働基準法によって「週に1回又は4週間で4回」と規定されている「法定休日」
及び法定休日の他に会社が任意で定める「所定休日」のそれぞれについて記載しなけ
ればいけません。
5.深夜労働を行った日付・時刻・時間数
※深夜労働とは、午後10時から午前5時までの労働を指します。
出勤簿の対象になるのは、基本的には、正社員だけではなく、パートタイマー、アルバイトなども含める全従業員です。
さらに、労働安全衛生法の改正により、2019年4月から労働基準法第41条で規定されている「管理監督者」に該当する管理職に関しても、労働時間の把握が義務化されましたので、出勤簿を作成し労働時間管理を行わなければなりません。
また、出勤簿は電子で保管することが認められています。
電子で保管する場合は、以下の条件を満たす必要があります。
1.労働者名簿を画面に表示し、印字するための装置を備えておくこと。
2.閲覧・提出等が必要になった場合に、直ちに必要事項が明らかになっている写しを提出
できるようにしておくこと。
事業所にパソコンとプリンターがあれば、問題ありません。
法定三帳簿の出勤簿を作成していない場合や5年間(現在、猶予措置で3年間)の保存期間を守っていない場合、労働基準法第120条により30万円以下の罰金が科される可能性があります。
保存期間については、労働基準法が定める期間(5年間。現在、猶予措置で3年間)保存しなければなりません。
保存期間の起算日についてですが、その従業員が最後に出勤した日となります。
ただし、最後に記載された出勤日より賃金支払期日が遅い場合、賃金支払期日が起算日となります。
なお、タイムカードがある場合は、タイムカードについても同様の取り扱いが求められます。
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